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東京23区はお風呂屋さんから始めよう! [23区の数楽]


 『23区格差』(池田利道・著/中公新書ラクレ)は、銭湯とお豆腐屋さんの話から始まりました。古きものと新しきものが共生し、発展する都市、東京。“古きよきもの”の一つに銭湯があります。その銭湯についても、豆腐屋さんについても、東京はその数、人口比において、全国平均をはるかに上回るほど多いのだそうです。



23区格差 (中公新書ラクレ 542)

23区格差 (中公新書ラクレ 542)

  • 作者: 池田 利道
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/11/07
  • メディア: 新書


 お風呂屋さんは、単に身体を洗い清めるといった衛生面のサービスを施す施設というにとどまらず、地元の人々がより集って“裸のつき合い”をし、コミュニケーションを交わす場、コミュニティの一つの核といってもよいものだったかもしれません。



001(図)公衆浴場数.PNG ここで、今も東京に残るお風呂屋さん(一般公衆浴場)の数を数えてみましょうか。日本標準産業分類の中の「一般公衆浴場業」(銭湯)を取り出し、「経済センサス」(総務省)によりその事業所数(2014年)を見ると、図01に示すように東京都は624、この数は断然トップです。因みに、全国の数字が3,450ですから、このうちの18%、全体の5分の1近くまでを占めることになります。


  


  しかし、東京は日本の中心で人口の集積も群を抜いて大規模なので、これを標準化してみる必要があります。実数のほか、人口比、面積費、世帯比で都道府県別にランクをつけたのが表02です。すると、実数で1位であるほか、面積比でも1位です。他方、人口比、世帯比でみても、ともに第9位とベスト10入りしています。


 


 002(表) キャプチャー.jpg


 ここから窺えるように、やはり、東京都はお風呂屋さんが多く集積したところです。それが、東京の文化や地域特性の一面を象徴的に示す要因ではあると言えましょう。次回は、さらにその東京の中心部である「特別区部」、要するに23区についてもう少しつぶさに見ていくこととしましょう。




一般社団法人 東京23区研究所 小口達也



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